豆知識 knowledge

エンジン発電機の出力算定について

a. 小さい発電機を選定すると 必要出力に対して小さな出力のエンジン発電機を選定し、誘導電動機などの始動容量の 大きな負荷をかけると、  
 
●エンジン発電機の電圧が急激に低下し、負荷が正常に動作しないことや、  
 
●他の負荷機械のマグネットスイッチやリレー類の動作不良、  
 
●他の電動機負荷の減速や停止、  
 
●また、照明灯等のチラッキや水銀灯の消灯などの
思わぬトラブルとなることがあります。

b. 大きい発電機を選定すると 逆に大きすぎる出力のエンジン発電機を選定すると、  
 
●インシャルコスト、及びランニングコストが高くなり不経済となります。 

c.

定常時と始動時 すなわち、負荷の中には「定常時」と「始動時」とでは、必要とする出力の異なるもの があり注意が必要です。  
 
●「定常時」とは、負荷が仕事をしている状態をいい、  
 
●「始動時」とは負荷を入れたときをいいます。 

d.

誘導電動機 
 
(モータ)
その中で代表的なものが
 
●誘導電動機(モータ)で、ほとんどの機械に使用され一般的なものです。 誘導電動機の始動時は定常時の6倍以上もの電流が流れ、おおきな電力を必要とします。

e. 算定の目安 エンジン発電機の出力算定の目安は、次の通りです。

白熱灯
電熱器等
(抵抗負荷)
蛍光灯
水銀灯
(ハロゲン負荷)
ドリル・サンダ等
(交流整流子モータ)
水中ポンプ
コンプレッサ等
(誘導電動機)
始動時 1倍 2.1~2.8倍 2.0~3.0倍 3.0~5.0倍
定常時 1倍 1.2~1.8倍 1.3~1.6倍 1.3~2.0倍

誘導電動機(モータ)の発電機出力算出について

a. 誘導電動機 エンジン発電機の負荷で一番多く使われているのが、誘導電動機を用いた負荷です。
これら誘導電動機の場合は効率、力率、始動電流(始動階級)、始動方式を考慮する必要があります。
また、発電機出力をできるだけ小さくするためには、始動電流の小さなモータを選定したり、始動方法及び始動順序も考慮する必要があります。

b. 定常時の発電機出力 (1) 定常運転時の発電機出力

発電機出力[kVA] モータの出力(kW)

モータの効率×モータの力率

発電機出力[kW] モータの出力(kW)

モータの効率

c. 始動時の発電機出力 (2) モータの始動時などの瞬時電圧降下を考慮した場合の発電機出力

発電機出力PG Xd´(1-ΔV) ×Pm×β×C 

ΔV

0

ここで、 PG 発電機出力(kVA)
Xd´ 発電機の過渡リアクタンス(一般には0.15~0.30)
ΔV 瞬時電圧降下率(一般には0.25~0.30)
Pm モータの出力(kw)
β モータの1kW当たりの始動入力(kVA)
始動方式による係数

(3) 概算式
  
上記の式でXd´が不明でΔVに特別な制約がない場合、 Xd´を0.21、
  
ΔVを0.30として、

   
発電機出力=(1/2)×Pm×β×C   [kVA]
            

  
として、概算計算ができます。

d. 標準効率 モータの始動kVAと標準効率 

モータ出力(kW) 始動kVA 標準効率%
2.2
9.0
83
5.5
8.0
83
11
8.0
85
22
8.0
87
30
7.5
88
37
7.5
89
45
7.0
90
55
7.0
91
75
7.0
92

e. 始動係数 始動係数C

始動方法
直入れ
Y-Δ 2/3
リアクトル X/100
補償器
(X/100)2

 
X : 電圧タップ位置(%)

f. 順次始動時の発電機出力 (4) 順次始動時の発電機の出力(3台の場合)
 
1.モータ各々の定常状態の入力kVA と始動時の入力kVA を計算します。

定常時 始動時
モータ1 M1 PG1
モータ2 M2 PG2
モータ3 M3 PG3

g. 許容電圧降下  2.必要発電機出力は(モータ1→モータ2→モータ3の順番で運転する場合)は:
  
上表のPG1、M1+PG2、M1+M2+PG3の一番大きい値を発電機出力として選定します。

[注 意:発電機の許容電圧降下について]
 
発電機の瞬時電圧降下の許容値は負荷の条件によって決まりますが、その主なものは、
  
●負荷を異常なく始動できること。
  
●投入されている遮断器、電磁接触器がなどの保持が釈放されないこと。 などです。

低圧回路の電磁接触器などの操作電圧は、JISでは定格電圧の85~110 %の範囲で、動作が正常であればよいと規定されていますが、実際の製品ではもう少し低い電圧が許容できることから、一般に瞬時電圧降下は25~30%以内としています。
ただし、負荷が水銀灯、コンピュータを駆使した負荷等や回生制御を必要とするエレベータなどの負荷では、発電機の瞬時電圧降下を十分考慮して発電機出力を決定する必要があります。

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